2023/01/02 17:09
新年明けましておめでとうございます。
2022年はあっという間に過ぎ去り、いよいよ2023年を迎えることとなりました。そんななか、革製品専門店「TORU LEATHERS」は、小さな店舗ながら創業4年目を迎えることができました。
当店では、10年以上にわたり革製品を手掛け、定番商品とオーダーメイドの注文を受け付けています。試作やオーダーメイドの一点ものは、革包丁を用いて裁断することが一般的ですが、月に10件以上もの定番商品を一点一点手作業で裁断するのは、効率的とは言えません。スケジュール的にも余裕がなく、ミスは許されない状況に追い込まれます。
そこで、当店は抜型とクリッカーの導入を検討しました。抜型はまだ手に入れやすいですが、油圧式クリッカーは中古でも50万円以上と高価です。また、ハンドクリッカーであっても、数万円程度の出費が必要となります。25キロから30キロという重量は、扱いにくいと感じる方も多いでしょう。しかも、安価な機種の裁断力は1トン前後と弱く、厚みのあるヌメ革や頑丈なブライドルレザーには向いていません。有名なCowboy 8360という機種の裁断力は5トンですが、本体重量はなんと49キロもあり、一人で持ち上げるのは困難です。
そこで、当店は、裁断力が強く、本格的な革職人にふさわしいハンドクリッカーを探していました。そして、より軽く、強力でありながら、手頃な価格の製品を見つけたというわけです。

この度、ご紹介するのは、本格的な革製品の製造に欠かせないツール、ハンドクリッカーの新しい製品です。その名も、驚きのコンパクトさが魅力の「卓上式ハンドクリッカー」です。
このハンドクリッカーは、その名の通り、卓上に置くことができるため、スペースをとらず、しかも収納もしやすいのが特徴です。本体の重量も20キロ程度で、大人一人でも運びやすく、使わないときは机の下や押し入れに収納することも可能です。
2本柱式ではなく、1本柱の構造であるため、幅の広い抜型を使用していても邪魔になることがありません。さらに、裁断力は驚異の3トンもあり、3.5mm~4.5mmの厚さのヌメ革の裁断作業も苦労なく行うことができます。
横20CM、高さ18CM、奥行き38CMというコンパクトなサイズにもかかわらず、強力な裁断力を持つ卓上式ハンドクリッカー。これから革職人を目指す方や、既に革製品の製造をされている方にとって、大変魅力的な製品となっております。

抜型と裁断方式について
一般的に、抜型にはスウェーデン鋼式とトムソン式の2種類があります。
日本国内の抜型メーカーはスウェーデン鋼式を提供していますが、その高さは19mmとなっています。そのため、卓上クリッカーで使用する場合は、2枚の下敷きを重ねて使用することが前提となります。

一方、海外や一部国産抜型メーカーはトムソン式の抜型を提供しています。高さは24mmとなりますが、1枚の下敷きで使用することができます。

また、革職人の中には、端材でも最大限に活用したいと考える人が多いです。そのため、刃型と革をより精密に合わせるために、刃の部分を上向きにして革を当て、裁断する際に使用する上敷きも用意されています。トムソン式の抜型を使用する場合は下敷きが必要ありませんが、スウェーデン鋼式の場合は、0.5cmの下敷きを使用することが推奨されます。

消耗品と長期メンテナンスについて
レザークラフトの工具を購入する際には、機械の消耗品提供や修理対応の期間についても重要なチェックポイントです。この点についても、長期的なサポートを提供することが大切だと考えています。
当社では、以前販売した箔押し機でも2~3年経っても修理に対応できるよう、部品のストックを用意しています。また、今回の卓上ハンドクリッカーについても、下敷きや上敷きなどの消耗品はもちろん、単品販売しています。
本体については、シンプルな構造であるため、壊れることはあまりありませんが、肝要なパーツも常に在庫を確保しています。長期にわたって安心してご利用いただけるよう、万全のサポート体制を整えています。

抜型のご注文について
最後ですが、弊店はトムソン抜型の作成業務も開始する予定です。弊店から卓上ハンドクリッカーを購入していただいたお客様に、さらお割引を提供いたします。
詳しい内容について、また別の記事で紹介いたします。